Χカイレパートリー劇場

『添田唖蝉坊の長歌を演歌する』

2015年228日(土)

土取利行・邦楽番外地シリーズvol.3


ああ踏切番 添田唖蝉坊

二十余年を碑文谷の 踏切番とさげすまれ
雨の明日も風の夜も 眠る暇なき働きの
・・・・・・・・・・・・・
明け方近く月落ちて 雲間を洩るる月影の
消え行く空をふるわしつ あなけたたまし汽車の笛

古来から日本のうたは物語を伝えることを重視し、そこから謡、浄瑠璃、義太夫節、浪曲等々様々なうたの形を育んできた。 演説歌に始まる演歌も壮士達の政治的心情を伝える悲憤慷慨的な歌から、添田唖蝉坊の登場によって庶民の「心に沁みるうた」へと変遷し、そこから長歌とよばれる物語うたも誕生していく。 その代表作「嗚呼 踏切番」「おじさん助けてくださいな」「四季の歌(第二次)」等は戦時下の社会の犠牲となった女工、娼婦、下層労働者の悲哀を切々と歌い上げたまさに唖蝉坊の秀歌。 本シリーズでは、ほとんど聴く機会のないこの唖蝉坊長歌の世界を土取利行が披露いたします。

添田唖蝉坊 1872年〜1944年

神奈川県大磯生まれ。18歳の時横須賀で壮士演歌に出会い、以後青年倶楽部で演歌活動を開始。 33歳で堺利彦と出会い「非戦論」に開眼。 この時社会党評議委員会にもなり、作詞作曲、唄を通して社会改革に取り組み「ラッパ節」を始め多くの名作を生み出す。 40代には「演歌」の普及に取り組み出版活動にも従事。60代で演歌活動を止め、四国遍路の旅に出る。彼の仕事は長男の添田知道に継続され演歌二代と呼ばれる。

土取利行

1950年香川県生まれ。70年代より近藤等則、坂本龍一などと活動し、75年渡米、渡仏。 ミルフォード・グレイブス、デレク・ベイリーなど海外の即興音楽家と演奏。 76年よりピーター・ブルック劇団に参加し以後40年に渡って演奏家、音楽監督として活動。 「マハーバーラタ」「ハムレット」昨年の「驚愕の谷」など作品多数。 87年桃山晴衣と立光学舎を設立し「縄文鼓」「銅鐸」「サヌカイト」と古代の音を追求。 近年桃山の逝去で彼女が添田知道師より受け継いで来た演歌の本流を三味線で開始。


公演日程

2015年2月28日(土)19:00
※開場は開演の30分前

チケット

1,000円
(全席自由)

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シアターΧ

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