美紗の会

『闇に燈る聲』

2023年124(月)

泉鏡花「歌行燈の世界」


 

平成12年12月12日泉鏡花の「歌行燈」の世界を「幻のお三重」と題して第3回「虹の会」で演奏した。 芸道の厳しさ。因果。純愛。を唄いたかったが未消化に終わった。いつか再びと念じながら早くも20年の月日が過ぎてしまった。闇からの聲がいつか昇華し我が身の声となりうるだろうかと思いながら…。 このたび、頼もしいスタッフと共に想いの糸が結ばれ再び鏡花の世界を舞台化出来る幸せを三筋の糸に託し「闇に燈る聲」に顕したい。
西松布咏

公演プログラム
第一部:小唄四曲
第二部:芸と霊
第三部:幻のお三重
    劇中曲作詞:田中優子
    作曲:西松布咏


芸と霊

芸は伝授してゆく者の魂が亡霊となって演者と重なってゆく。
泉鏡花の「歌行燈」の幻想は死者に導かれた伝統芸が生者へと伝わり、男女の恋とも重なり結ばれてゆく。言葉で確認しあう恋ではなく、踊りの振り写しという肉体的憑依による秘めたる恋である。
恩地喜多八の身体がお三重に芸として写し込まれる。
お三重に生霊としての能が憑いたのである。能を舞う女性のしなやかでありつつも凛々しい身体に。
三人のお三重は、
西松布咏、山根基世、服部真湖。
尺八の善養寺惠介は、空気であり、風であり、景色となる。
能の生霊として、能役者の清水寛二。


小説「歌行燈」

「歌行燈」は泉鏡花が1910年(明治43年)1月に発表した小説。 三重県桑名を舞台に能のシテ方宗家の甥である喜多八と、芸の出来ない芸者お三重が、能の『海人』 (観世では『海士』)の仕舞「玉之段」を通じて繋がっていく。深夜の松林で喜多八が舞を伝授する風景と、「玉之段」を舞うお三重の姿が泉鏡花の言葉によって見事に描写される。 1943年に成瀬巳喜男監督、花柳章太郎、山田五十鈴で映画化。1960年には衣笠貞之助監督、市川雷蔵、山本富士子で再度映画化。

泉鏡花(いずみ きょうか)

本名:泉 鏡太郎(いずみ きょうたろう)
1873年(明治6年)11月4日 - 1939年(昭和14年)9月7日。日本の小説家。明治後期から昭和初期にかけて活躍した。小説のほか、戯曲や俳句も手がけた。 金沢市下新町生まれ。尾崎紅葉に師事した。『夜行巡査』『外科室』で評価を得、『高野聖』で人気作家になる。江戸文芸の影響を深く受けた怪奇趣味と特有のロマンティシズムで、幻想文学の先駆者としても評価されている。主要作品に『照葉狂言』『婦系図』『歌行燈』などがある。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


スタッフ
舞台監督 呂師 (砂組)
照明 溝端俊夫 宇野敦子
音響 國府田典明(國府田商店)
演出助手 黒田瑞仁
制作 飯塚なな子
キャスト

唄と三味線:西松布咏
朗読:山根基世
舞踊:服部真湖
能:清水寛二
尺八:善養寺惠介


公演日程

2023年12月4日(月) 19:00

※開場は開演の30分前。

チケット

7,000円
(全席自由)

[チケット申込]
Confetti(カンフェティ)
TEL:0120-240-540(平日10:00〜18:00)

問い合わせ

『闇に燈る聲』制作部
Eメール:gei.rei2023@gmail.com

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